バイオインフォマティクス技術者認定試験とは?合格率、対策を解説

本記事では、バイオインフォマティクス技術者認定試験について解説します。
試験概要、2020年度の変更点、合格率などをまとめました。

バイオインフォマティクスとは

バイオインフォマティクス(bioinformatics)とは、生命科学と情報科学の融合分野のひとつで、⽇本語では⽣物情報科学や情報⽣命科学などと呼ばれています。生命情報を情報科学や統計学などのアルゴリズムを用いてコンピュータで解析すること(in silico 解析)を目的とした学問です。

試験・資格概要

バイオインフォマティクス技術者認定試験とは、日本バイオインフォマティクス学会(JSBi)が主催する民間資格試験です。本認定試験は、合格者が基礎から先端までの基本知識を有し、関連業務への適性が一定レベルに達した人材であることを示せるよう作られています。
合格した際には、履歴書等に「JSBi認定バイオインフォマティクス技術者(英語名:JSBi Certified Bioinformatics Engineer)」と記載することができ、一定レベルの専門知識を有する者としてアピールすることが可能です。
JSBiでは、本認定試験の国家資格化を目指し、バイオインフォマティクススキル標準の策定を他学会と連携して進めています。

2020年度変更点

2019年度までマークシート方式で実施されていましたが、2020年度以降はCBT方式で実施されています。これに伴い、問題数や試験日程が大きく変更となりました。

2019年度まで2020年度から
試験日程12月第1日曜日冬季2~3週間
期間中1回のみ受験可
試験会場主要6都市全国のテストセンター
問題数計80問
生命科学  20問
情報科学  20問
配列    12問
構造     8問
遺伝進化   8問
オーミクス 12問
計60問
生命科学  10問
情報科学  10問
配列    12問
構造     8問
遺伝進化   8問
オーミクス 12問
試験時間120分120分
試験方式マークシート方式CBT方式
解答方式4肢択一式4肢択一式
満点1,000点(12.5点/問)750点(12.5点/問)

2020年度の試験方式変更により、試験日程の拡大問題数の削減となりました。また、全国のテストセンターで受験が可能となり、受験者側のメリットは大きいです。
一方、試験時間と解答方式、配点に変更はありません。
2022年度は沖縄に準会場(特別受験会場)が設置されました。これは沖縄におけるバイオインフォマティクス人材養成を振興することを目的として、沖縄工業高等専門学校(辺野古)が会場となりました。

合格基準

合格点は毎年変動します。例年、正答率56~60%以上で合格となっています。
試験の難易度によっては合格基準を下げることが可能なため、受験者が不利益を被ることは少ないと思われます。
CBT方式となったことで、試験終了直後に各分野のスコアレポートが出力できるようになりました。一方、合否判定は試験期間が終了してから数週間後に発表されます。

合格率

バイオインフォマティクス技術者認定試験 合格率推移

バイオインフォマティクス技術者認定試験が実施されて数年は合格率が安定していませんが、合格率は約45~59%で推移しています。2019年度以降の合格率は50%台となっています。
受験者数は2015年度に初めて200人を超え、2019年度以降は毎年400人以上が受験しています。
※上記データは欠席者を含む

合格発表日

合格発表は試験期間が終了してから数週間後を予定しています。
2022年度の合格発表日時は2022年12月21日12時00分です。CBTSのマイページで合否が確認できます。

試験対策

バイオインフォマティクス技術者認定試験の試験範囲は生物学、統計学、情報学と多岐に亘ります。これらの分野を広く・簡潔にまとめた「バイオインフォマティクス入門|日本バイオインフォマティクス学会 編」は初学者におすすめです。

また、JSBiでは学会ページに試験の過去問と解説を公開してます。CBT方式移行後は試験の解説のみ公開となっていますが、出題される問題の傾向を知ることができます。

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